永福町の改修(2021)

施工期間2ヶ月という条件の元、なるべく手を入れずに既存空間を最大限に活かす方法を模索














敷地は神田川近くの細い路地に囲まれた低層住宅が広がっている閑静な住宅地に建つ築44年の住宅の改修計画。
予算(400万)と工期(設計2ヶ月,施工2ヶ月)の条件が厳しく、耐震改修と設備更新で予算を使い切ることを想像していたが、耐震診断を行うと最低限の現行法規基準を満たしていることが分かったため、設備更新+aを検討することとした。
様々な検討を行った結果、既存の間取りを変えずに間仕切り壁の一部を、木軸で作られた「シェルフウォール」、ツインカーボで作られた「ライトウォール」に置き換える計画とした。中央の「シェルフウォール」によりLDKから脱衣室までの収納をまとめ、南面、西面の「ライトウォール」によって外の気配や隣室の気配を感じるような奥行のある空間を目指した。
本計画の材料は基本的にホームセンターで簡易に入手できる材料を中心に、既存建物の空間モジュール(尺寸)や部材スケールに合わせた簡素で即物的なディテールとすることで、将来的な更新可能性を考慮した改修計画としている。
永福町の改修
所在地: 東京都杉並区
用途: 専用住宅
構造: 木造・一部鉄骨造
階数: 地下1 階・地上2 階
敷地面積:66.79 ㎡
建築面積:36.49 ㎡
延床面積:64.63 ㎡
竣工:2021年10月
設計:福田宇啓建築設計事務所
施工:藤原設計大工
写真:©UFAA